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技術

ロケットの構成要素
ロケットの構成要素

私たちが製作するロケット・周辺設備の構成要素や特徴を紹介します。

モジュール構造

電装(Avionics)

ハイブリッドロケットエンジン

GSE(地上支援設備)

モジュール.png
​モジュール構造

機体は多くの場合CFRPの薄肉円筒をアルミ合金製のカプラーでつなぎ合わせたモジュール構造となっています。カプラーで区画分けされているため、各チューブにエンジン、電装、パラシュートなど搭載物の役割を割り振ることができます。

なおCFRPは電波を遮蔽してしまうため、電装チューブには電波の送受信ができるよう、GFRPを使っています。

また、海に向かって打ち上げる際にはモジュールごと水密にすることで、電装を海水から守りかつ着水後の機体の浮力を確保することもできます。

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​電装(Avionics)

ロケットの電装は上空でパラシュートを開いたり、飛行中の状態を収集したりすることを担います。
電装が正常に動作しなければパラシュートが開かず、飛行中に何があったかもわからないので安全な飛行と技術の発展のためには不可欠な部分であると言えるでしょう。
過去には二段目のロケットに点火したり、搭載したカメラを1方向に向ける予定があるなどミッションによってさまざまな機能が追加されます。

図3.png
ロケットエンジン

ロケットには燃焼方法の種類として液体ロケット・固体ロケット・ハイブリッドロケットがあります。

簡単に説明すると、液体ロケットは液体の酸化剤と燃料を、固体ロケットは固体の酸化剤と燃料を、ハイブリッドロケットは固体の燃料と液体(気体)の酸化剤を用いてエンジンを動かします。

私たちの用いるハイブリッドロケット(カナダCesaroni Technology Inc.製 HyperTEK®)は液体ロケットよりもエンジンの構造が単純で,固体ロケットよりも比較的管理が容易であるという利点があります。

​近年では自作エンジンの開発にも力を入れています。

GSE外観.png
GSE(地上支援設備)

ロケット打ち上げ直前には,遠隔操作で液体の酸化剤をロケット内の酸化剤タンクに供給する必要があります。そのための配管設備のことをGSE(Ground Support Equipment)といいます。

配管の接続・電気的な制御は,電源喪失などの緊急事態があったときにもすぐ安全を確保できるような仕組みに設計しています。


モジュール構造
電装
ロケットエンジン
GSE
CREATEの技術
CREATEの技術

私たちが保有する独自の技術について紹介します。

CFRP製ノーズ

​・開放機構 カマボコ

高速ロギング

自作エンジン

自作シミュレーター Spica

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CFRP製ノーズ

CREATEではノーズコーンをCFRPの積層により作っています。
積層方法は雄型と雌型を3Dプリンターで製作し
二つ型で挟みCFRPを成型するキャビコア方式を取っています。
ノーズコーンの積層部(ノーズトップ以外)は一体で形成されるため製作時間が短いのが特徴です。 

開放機構アニメーション_1.gif
開放機構 カマボコ

CREATEでは、機体からパラシュートなどを放出する機構として、「カマボコ」と呼ばれる独自の機構を使用しています。サーボモータ、ABS製のパーツなどで構成され、全ての部品を合わせても約70gと非常に軽量です。

電装の指示によりサーボモータが回転することでフェアリング(フタ)をロックしていた爪が外れ、バネの力でフェアリングが押し出されて内容物が開放されます。

固定用のパーツさえ変更すればボディーチューブにもノーズコーンにも機構を取り付けることができます。シンプルな構造ゆえ不具合が少なく、これまでの打ち上げにおいて高い放出成功率を誇っています。

高速ロギング_改.png
高速ロギング

CREATEは、ロケットの加速度、角速度などのデータを高速に保存する技術を保有しています。

 

通常は1 kHz(毎秒1000回)、専用の基板を使えば最大4 kHz(毎秒4000回)記録することができます。ロケットの姿勢や高度といった状況をより正確に知ることができ、姿勢推定や姿勢制御にもつながる技術です。

自作エンジン.jpg
自作エンジン

CREATEでは燃料に高密度ポリエチレン(HDPE)、酸化剤にN2Oを用いた独自のハイブリッドエンジンを製作しています。

左の写真は製作したエンジンの性能を確認する燃焼実験の様子です。試験用のEM(Engineering Model)であるため、圧力センサーなどが取り付けられています。

CREATEは2019年7月に団体初となる自作エンジンの燃焼成功を収めました。2021年11月にはFM(Flight Model)という実際にロケットに搭載するエンジンを搭載したC-53Jの打ち上げに成功しています。

C-43J_flightpath_descent.PNG
自作飛行シミュレータ Spica

Spicaは、2019年1月に完成したCREATE初の自作飛行シミュレータです。プラットフォームにはMATLABを使用しています。


飛行シミュレータでは、ロケットを各種条件下(射角, 風向, 風速)で打ち上げた際に、どのような挙動・経路で飛翔し、どこに落下するのかを事前に予測します。

Spicaは、できるだけ現実に即したモデルでの計算,精密な数値計算手法を追求し、より正確にロケットの飛行をシミュレーションできるように開発されました。

従来のシミュレータでは対応できなかった多段式ロケットの飛行シミュレーション、3次元飛行経路図の作成やGoogleEarthへの経路図出力、Blenderによる機体姿勢動画の作成など、機体の飛行状態を簡単に可視化することも可能となりました。
 

CFRP製ノーズ
開放機構カマボコ
高レートロギング
自作エンジン
自作シミュレーター Spica
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